エンジンオイルの量と粘度の見方(0W-20 の意味、フィルター交換時の違い)
結論から言うと、オイルの表記は「粘度」と「規格」の 2 つを押さえれば十分です。0W-20 や API SP のような見慣れない文字列も、意味が分かればただの仕様表記にすぎません。順番に見ていきます。
粘度表記(0W-20)の読み方
オイルのボトルに記載されている 0W-20 や 5W-30 といった表記は、SAE(自動車技術者協会)が定めた粘度の等級です。W の前の数字は低温時のオイルの柔らかさを表しており、数字が小さいほど寒い環境でもサラサラのまま流れやすいというルールになっています。W は「Winter」の略です。
W のあとの数字は高温時の粘度グレードです。こちらも数字が小さいほど柔らかく、大きいほど硬い(粘り気がある)オイルということになります。つまり 0W-20 は「冷えているときはかなり柔らかく、温まったあとは 20 番相当の粘度になるオイル」という意味です。
API・ILSAC規格の見方
粘度のほかに、オイルには API(アメリカ石油協会)が定めた性能規格も表示されています。SN や SP のようなアルファベット 2 文字がそれで、アルファベットが進むほど新しい規格になります。ILSAC 規格(GF-6 など)も似た仕組みで、こちらは主に低燃費性能に関する基準が加わったものです。
新しい規格は基本的に古い規格の性能を含む上位互換になっていることが多いのですが、車によっては指定された規格を外れると保証やメーカー動作保証の対象外になることもあります。迷った場合は、車種ページや取扱説明書に記載されている指定規格を優先してください。
オイル量が「フィルター交換あり/なし」で変わる理由
オイル交換の際、量が「フィルター交換ありの場合」「オイルのみ交換の場合」で分かれているのを見たことがあるかもしれません。これは、オイルフィルターの内部にも一定量のオイルが残るためです。フィルターを新品に替えると、フィルター内が空の状態からオイルで満たされる分、補充量が少し多くなるという理屈です。
この量は車種ごとに異なり、取扱説明書の「サービスデータ」や整備要領書に記載されている数値が正確な基準になります。クルマ適合ナビの車種ページでも目安の量を掲載していますが、最終的な数値は取扱説明書で確認してください。
入れすぎ・不足のリスクとレベルゲージの確認方法
オイルは多ければよいというものではありません。入れすぎるとクランクシャフトがオイルをかき回して泡立ちが起きたり、逆に不足すると潤滑が行き渡らずエンジンに負担がかかったりするリスクが一般に指摘されています。どちらも過度に神経質になる必要はありませんが、規定量から大きく外れないようにすることは重要です。
量の確認はレベルゲージ(オイルレベルゲージ)で行うのが基本です。エンジンを止めてしばらく置き、オイルが落ち着いた状態でゲージを抜き差しして、先端に付いたオイルの跡が F(上限)と L(下限)の間に収まっているかを確認します。
交換の目安とターボ・HV・軽の傾向
交換時期の目安は、走行距離と期間の両方がメーカーごとに指定されています。ターボ車は熱の影響でオイルの劣化が進みやすい傾向がある、ハイブリッド車はエンジンが止まっている時間が長い分だけ交換サイクルが緩やかになりやすい、軽自動車はエンジンが小さい分オイル量自体が少なめ、といった傾向が一般論として言われますが、あくまで車種ごとの指定が優先されます。
粘度と規格の意味が分かったら、まずはクルマ適合ナビの車種ページでご自身の車に合う粘度とオイル量を確認してください。そのうえで、最終的な指定内容は取扱説明書で確認しておくと確実です。